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New Tourism | 今までの旅行とは違う、旅先での自然や人とのふれあいを重視した新しいタイプの旅。

山梨県市川三郷町ほか

和紙の郷で体験”富士川流域クラフトツーリズム

地域産業資源・和紙を中心としたクラフトツーリズムの造成と地域活性化

業界外への認知を広げ、全国的にも有名な“和紙の郷”へ

業界外への認知を広げ、全国的にも有名な“和紙の郷”へ

 富士川流域に位置する峡南地域は、和紙のほか、和紙に関連の深い花火や印章、雨畑硯など、古くから伝統産業が盛んな土地だ。日蓮宗総本山の身延山久遠寺や、江戸歌舞伎の市川團十郎宗家発祥の地などがあり、山梨県の中でも、さまざまな伝統文化も集積している。

 峡南地域の中でも、市川地区の和紙は障子紙、西嶋地区の和紙は書道用紙としてそれぞれ特化した技術を有しており、国内で高いシェアを占める。しかし、企業向けのBtoB取引が多いため、和紙業界内での認知度は高い反面、他の業界や一般の方には特産地としてあまり知られていない。そのような課題を克服するためにも、地域に残る伝統文化を観光の視点から活性化をし、全国的に知られるエリアにしたいとの思いで、「富士川流域クラフトツーリズム」の取り組みはスタートした。

 まず取り組んだのが、伝統の和紙を活用した紙すき体験や団扇・扇子を中心としたクラフト体験観光商品の開発だ。次に、様々な種類のオリジナル和紙を1冊にまとめた御朱印帳を作り、関連事業者12社の工場や施設を巡ってスタンプラリーをする体験商品も作り上げた。ここ峡南地区は、日蓮宗総本山や和紙・印章の伝統文化がそろい、御朱印帳を利用した企画には最適。そのほか各種和紙グッズの製作・展示を進め、一般の方が気軽に峡南の伝統文化に触れられる機会を増やしたいと考えている。

紙すき

商品作りや体験ツアーでは大きな収穫も

 「富士川流域クラフトツーリズム」の取り組みを通じて、事業者にとっては大きな収穫があった。それは、和紙業者にとって和紙商品は日常的なものになっていたが、体験ツアーの実施により、一般のお客様の喜びや驚きの表情を目の前で見ることができたことで、事業者側もあらためて和紙の魅力に気付かされた。この経験は、今回の取り組みに着手していなければ得られなかった貴重な成果であり、このような外からの刺激が、全体的に質の高い体験商品を生み出す原動力になっていることに間違いはない。

多言語化や観光導線の整備

外国人観光客に対する環境整備、そして地域活性化に向けて

 これからラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックといった大きなイベントが続き、2021年には日蓮宗総本山で宗祖降誕800年記念事業が行われる。現在でも、総本山の宿坊には多くの外国人観光客が訪れているが、滞在環境は不十分であり、その整備はスピード感を持って進めていかなければいけない。

 今後は、滞在環境整備も含め、異なる業種が更に結束を深め、ときにはスピード感を持って取り組みを進め、和紙だけではなく、花火や温泉、伝統文化や景観など、峡南地域全体の幅広い観光コンテンツを育て上げることが重要だ。

■お問い合わせ
市川和紙工業協同組合 TEL:055-272-0069
http://fujikawa-tourism.jp
■事業者
市川和紙工業協同組合、西嶋和紙工業協同組合、杉山江見堂、宮本重男、有限会社山十製紙、有限会社おかめ鮨